「人は死んだらどうなる?」という問いに対して、現代日本で最も一般的な答えは「死んだら無になる」というものだと思います。
では「死んだら無になる」というのは一体どういう状態なのかについて解説していきます。
無について
死んだら無になるって聞いた時に、みなさんは何も見えない真っ暗闇の中でひたすら無限の時間に閉じ込められるイメージがありませんか?
この考え方は間違いです。
否定の意味を表す「無」という言葉はそれ単体だとどういう状態か理解しにくいのですが、実はみなさんはこの「無」という状態を毎日体験しています。
それはみなさんが眠っているときの意識です。
みなさんが眠っている時、夢を見ている時間はありますが、それ以外の時間は意識が真っ暗闇の「無」という空間に閉じ込められてるわけではないですよね。
「無」というのはそれを知覚することすらできません。
「死んだら無になる」の「無」はこの自分の意識、時間の流れすらも存在しない状態のことを言います。
死んだら意識はどこへ行くのか
そもそも意識はどこから生まれてくるのでしょうか?
最新の脳科学では意識は大脳皮質の神経細胞(ニューロン)の電気信号の発火パターンによって生み出されていると言われています。
しかし脳内で発生する電気信号がなぜ、意識のような複雑なメカニズムを生じるかはまだ科学で解明されていません。
心臓が止まった後も数分間は強い脳波が出ており、さらにその脳波のパターンは人間が夢を見ている時の脳波のパターンと類似していると言われています。
しかし脳波が停止し、脳細胞が死んでいくと不可逆的な死が訪れます。
そして脳が完全に機能を停止した後には二度と電気信号を発しません。こうなると肉体上に意識の存在しようがありません。
では死んだらどうなるのか
死後の世界については昔から何度も考えられてきましたが、科学的に証明されていません。
死んだら無になるというのも一説であり、絶対的に正しいとは断定できないのです。
まとめ
「死んだら無になる」というのは、寝てる時意識の状態と似ているものです。
意識、時間の流れすら感じられないため「無」という状態を知覚することすらできません。