今回は常識について解説していきます。
常識は大別すると2種類に分けられます。以下に詳しく書いていきます。
常識の種類
知識(common knowledge)
知ってて当たり前のこと
・お金の数え方
・時間の読み方
など
規範(common sense)
「かくあるべし」という社会通念、社会規範、固定観念
・各種マナー
・季節イベント
・○○すべき全般
今回の記事の中では、常識のうちでも特に規範の方に注目して書いていきます。
常識を無視するとどうなるか
常識を無視した行動をすると以下のような事が起きます。
- 白い目で見られる
- 常識のない人認定されて評価が下がる
- 集団から疎外される
常識(規範)はなぜ生まれたか
常識は元々はみんなが気持ちよく生活するために生み出されたものです。
といえば聞こえは良いですが、裏を返せば気持ちよく思えないことがあったから、気持ちよく思えないことをさせないために生まれたものです。
生産的なものではなく、制限的なものということになります。
ゆえにクリエイティブな仕事においては常識にとらわれないことが重視されています。
常識は絶対的なもの?
常識は絶対的ではなく、移り変わるものです。
昔は飛行機の中でもタバコが吸えました。今ではパチンコ店ですら禁煙が進んでいます。
これはタバコの副流煙をよく思わない人が、公共の場で副流煙を吸わないためのルールを求めたからです。
ただここで勘違いしていけないのは、昔は間違っていて今は正しいわけではないということです。
常識はあくまでも人間の都合によって生み出されたその時その時で変化する概念でしかありません。
常識が絶対的に見えるのは、常識だからという結論で終わらせることができるからです(神様がそう決めたから、と同じ使われ方)
私達はなぜ常識が正しいと思うのか
人類という種の特性によるもの
動物は種ごとに共通の特徴を持っています。
例えば多くの人間にとって清潔なのが好ましく不潔なのは嫌われます。
これは不潔が病気を連想させるからなのですが、人間以外の種では不潔な環境を好むものもいます。
つまり多くの人間(人間に限る)が本能的に好ましい/好ましくないと思うものは確かに存在するわけです。
常識とみなすことでメリットがあるから
常識の最大のメリットは、結論を出すことが不可能な分野においてとりあえず結論づけられることです。
例えば、まだ安全であるかどうかが結論付けられていない新種のワクチンがあったとして、通常そのワクチンを打つべきかどうかはどちらか一方に決められるものではありません。
なぜならそれぞれの立場にメリットとデメリットがあるからです。
しかし常識を用いるとどちらか一方の立場が完全に正しいという主張が可能になります。
つまり常識には「考えるのが難しい問題について考えなくて済む」「とりあえず行動を起こすことができる」というメリットがあることになります。
逆にデメリットとしては「思考停止になる」「偏見にとらわれる」「異なる常識に対応できなくなる」といったことが挙げられます。
常識の危険性
常識で一番危ないのは「○○は常識」という個人的な考えを押し付けてくる人です。
そもそも常識には正しい保証はないので、「上司の意見は全て正しいのが常識」みたいなことも言えてしまいます。
常識にはどんな意見でも常識だから正しいという形で押し付けることができる危険性があります。
常識にとらわれないための4つの方法
常識は移り変わるものだと知る
時代、場所、人、が変われば常識も変わります。
かつては地球を中心に星々が回っているのが常識でした。
常識が変わっていくほうが科学的なのです。
その常識がどの程度の範囲なのかを見極める
常識の危険性の部分でも書きましたが、自分の中の常識を押し付けてくる人はいます。
けど冷静に考えればその常識が、その人個人のものなのか、特定の集団限定のものなのか、その国限定のものなのか見えてくるはずです。
自分が受け入れられるラインを知る
自分と異なる常識を持った人達と向き合った時に、どこまで自分の考え方を妥協できるかを見極めることは重要です。
特に自分に損失が出る可能性のある常識については無理に受け入れる必要はありません。
例えば友達にお金を貸してくれと言われた時、相手が友達にお金を貸すのは当然だと思っていても、自分は必ずしもその考え方に同意する必要はないのです。
異なる常識にあえて触れてみる
よく海外旅行へ行くと価値観が変わると言われるのは、海外の常識が全く日本と異なっているからです。
そもそも私達がなぜ常識から外れないかというと、常識の外では幸せに生きていけないと思いこんでるからです。
ですが異なる常識できちんと生きている人を見ると、それが思い込みだったと気付かされるから価値観が変わるのです。
まとめ
常識は絶対的な真理ではなく、人類という種に限って多数が納得できるような個人的な意見の集まりということでした。
アインシュタインは「常識とは18歳までに身につけた偏見のコレクション」と述べています。
常識に振り回されることなく、程よい感じで付き合っていけたら良いと思います。