疑似科学と科学の違いについて比較してみた

疑似科学のアイキャッチ 解説記事

疑似科学とは

表面上だけは科学を取り繕った科学的根拠のない思い込みです。

しかし科学と疑似科学の明確な線引きというのはありません。

せいぜい科学に寄っているか疑似科学に寄っているかが言えるくらいです。

地球温暖化ですら疑似科学扱いされることもあるので、疑似科学たりうるものの範囲はかなり広いです。

疑似科学と科学の比較

疑似科学 科学
理解しやすさ 簡単 難しいことが多い
目的 主にお金儲け 真理の追求
実験 まともに実験しない 厳密な実験を行う
結論づけ 断定できる 断定できない(科学に絶対はありえない)
反証可能性 持たない 持つ

反証可能性は「それが正しくないことを証明できる可能性」という意味です。

疑似科学の発生

そもそも疑似科学とはどうやって生まれるのか、マイナスイオンを例にして説明します。

2000年代を経験した人は何の根拠もなしにマイナスイオンが体にいいものとされ過剰にもてはやされていた記憶があると思います。

マイナスイオンが体に良いと言われるようになった原因には以下のような論理の飛躍があったと言われています。

「山奥にある滝のしぶきは体にいい→滝のしぶきにはマイナスイオンが含まれている→マイナスイオンは全て体にいい」

山奥にある滝のしぶきを受けることと体の健康さは相関がありそうですが、それはそもそも山奥まで歩いて行ったり、空気が綺麗だったりが原因とも考えられるので、マイナスイオンと健康の因果関係は証明されていません

疑似科学でよく使われる手法

血流改善

血液サラサラという言葉が有名ですが、実際に血液サラサラだとどの病気にどの程度かかりにくくなるのか等の科学的データはありません。

余談ですが顕微鏡で血液を観察する際に、スライドガラスを押し付けると血液が薄く広がり血液サラサラに見せることができたりします。

脳トレなどでも血流改善が言われたりしますが、血流が良くなったからといって脳にどんな良い効果が発生するのかもわかっていません。

当たり前ですが、運動すると脈が上がり血流改善します。

血流の改善というのは、血流が良くなったという現象でしかなく、科学的になにか良い効果が発生したとは言えないのです。

脳スキャン

ある刺激に対して、脳のある箇所が活性化するというのは実際にあります。

しかし全く別の刺激に対してもその箇所は活性化したりします。

実際に脳のスキャン画像があるとぱっと見た感じ説得力があるようにみえますが、脳のある領域の活性化についての研究自体が発展途上で不明なことがまだまだ多いです。

社会から見た科学

現代社会の中で科学がなぜここまでもてはやされているのでしょうか?

それは科学が人の役に立つからです。

実際科学のおかげで人類の生活は便利になりましたし、人類が何かと戦おうとする時は科学が武器になります。

つまり社会から見ると科学的であるかどうかというのは実は二の次なのです。

疑似科学は科学的ではないにせよ、役に立つと思っている人がいるのは事実です。

思い込みによる効果

ではなぜここまで疑似科学がはびこっているかというと、実際に疑似科学でも効果があることもあるからです。

人間には与えられたものが偽薬だったとしても症状が治ったり和らいだりするプラシーボ効果というものがあります。

たとえ最初から偽薬だと知っていても効果があったという実験結果も出ています。

全く役に立たないものでない以上は、疑似科学は無くなることはないのです。

まとめ

疑似科学を一掃したいのであれば、全ての人が科学的リテラシーを持ち、科学的じゃないものを認めなくなるしかありません。

しかし安易に望む効果を得られる可能性がある以上は、疑似科学は消えることはないでしょう。

そもそも人間はそれが自分の利になるものならば、真実じゃなくても信じようとする生き物です。

個人個人としては後から騙されたことを後悔しないためにも、科学的な思考は身につけたほうが良いと思います。