無能な上司はなぜ部下に困っていることを聞きたがるのか

悪意のアイキャッチ ビジネス

人を管理する立場にいる人が安易に「何か困ってない?」って質問を投げかけていることを見たことがありませんか?

その質問の仕方はよくありません。ではなぜそうした質問をしてしまう人がいるのかについて書いていきます。

良い質問と悪い質問

悪い質問

・なにか困ってませんか?
・どうですか?

良い質問

・○○について何か困ってませんか?
・今してる作業について何か困ってない?

漠然とした質問だと、答える方も考える範囲が広すぎて漠然とした答えになってしまいます。

○○について~と言った質問方法だと、仕事のイメージも付きやすいので意味のある回答ができるようになります。

なぜ無能な上司は部下に困っていることを聞きたがるのか

無能なので相手がなにか困っていても気づかない

無能な上司はまず、以下のような理由から部下が何をしているかが把握できてないことが多いです。

  • 自分の出す指示が具体的でない
  • やらせている仕事に自分のスキルが追いついておらず具体的に何をしてるかイメージできない
  • そもそも何も考えてない

逆に有能な上司は部下の仕事を把握してるからこそ困りそうなポイントが分かるのでアクションを起こせるのです。

精神的に優位に立ちたい

上司であるだけで部下を率いて仕事を進めなければならないという一定のプレッシャーがあります。

その不安から逃れるためだけに部下の困っていることを聞いて、(部下が自力解決できるかに関わらず)解決してあげることで安心を得ようとするパターンです。

本人からすれば気持ちが良いかもしれませんが全体の能率は落ちています

とりあえず手が空いたから

明らかに部下の様子がおかしくて何か困ってないか聞くのは大切です。

しかし無能な上司がなにか困っていないか部下に聞くのは、たいてい自分の手が空いて暇になったときです。

有能な上司は自分が仕事に集中している間でも大雑把に部下が何をしているのかについては把握しています。

少なくとも部下の仕事内容について把握しておけば、仕事内容について具体的な聞き方ができるはずです。

悪い質問方法で発生する問題

部下のモチベーションが下がる

そもそも部下が本当に困っていることがあれば普通は自分から相談します。

困ってて仕事が全く進んでいない状態で相談できずに仕事が止まっているならば部下に問題があります。

逆に言えば部下が困ってないのにも関わらず困ってないか聞くことは、困ってても相談してこない無能な部下だと評価していると言っているようなものです。

困っていることがあればいいですが、そうでなければ部下のモチベーションを下げかねません。

「進捗どうですか?」のような曖昧な質問もプレッシャーとなりモチベーション低下につながるので具体的な質問を投げかけるべきです。

問題の有無が部下に委ねられる

上司が「何か困っていることはないか」を聞いて部下が「特にありません」と答えると、問題はないことになります。

しかし、本当は問題は発生しているかもしれません。ここでポイントなのは問題の有無を決める主導権が完全に部下のものになってしまってることです。

上司は部下から問題がないと報告を受けて精神的な安心は得られます。

しかし上司が本当にしなければならなかった仕事は問題が起こっていないかを確認することです。

上司は部下の回答に依存せずに問題の有無を自力で判断できる能力は必要です。

上司の質問能力が磨かれない

よく新人社員の研修では質問の仕方自体について習います。ここでは何がわからないのかわかってない状態で質問をするのは悪いことと習います。

これは可能な限り自分で調べられることは自分で調べるようにすることと、質問を具体的にすることで回答を得やすくする効果があるからです。

「何か困ってない?」という聞き方はこの何がわからないのかわかってないのに質問をすることに似ています。

雑に何か困ってないか聞くだけでは質問を投げる能力も磨かれません。

自身のスキルアップのためにも質問を投げる前に考えてから投げる癖をつけたほうが良いです。

まとめ

「何か困ってない?」のような曖昧な質問は答える方からしても答えづらい上に望ましい回答は得られにくいです。

その質問に意図があるなら、望ましい回答を得られるように「○○について困ってない?」のように具体的な質問方法に切り替える必要があります。